2016年5月、私は皇子神社社叢を訪れてきました。香川県小豆島を訪れ、あるフェリー乗り場にて手に入れた観光マップを見ました。いくつもの観光スポットがありましたが、私の目に留まったのは国の天然記念物「皇子神社社叢(おうじじんじゃしゃそう)」です。
私は小豆島ふるさと村の道の駅(海の駅)にて自転車をレンタルし、皇子神社社叢に向かうことにしました。自転車をレンタルするとき、女性店員に「皇子神社社叢へは山道なので、上り下りがあって大変ですよ」と言われましたが、頑張って自転車で行くことにしました。バスでも行けるのですが、バスは2~3時間に1回しか来なかったりとても不便なのです。
これが小豆島ふるさと村の道の駅です。
自転車を借りて道の駅を出ることおよそ40分自転車をこぎ続け、なんとか皇子神社社叢がある場所付近までやってきました。国から天然記念物指定を受けるくらいだし、さぞかし大そうな建物なのだろう、入口も凄いんじゃないかな、と予想していたのですが、その入り口が見当たりません。もしかして場所を間違えたのだろうかと思いました。ちょうど、おばあさん2人が道でお話をしていたので、皇子神社社叢は何処か聞いてみました。おばあさん2人は「あの建物を左に入ったところです」と言って私の後ろの方を指さしました。なんと私は皇子神社社叢を過ぎてしまっていたのです。そう、国の天然記念物には看板や道しるべが出ていないのです。
おばあさん達の言っていた建物のところまで戻ると、確かに横道があります。
「もしかしてここ?」と思いながら進んでいくと・・・。
神社らしきものが見えてきました。これでやっと安心しました。自転車を必死にこいで来て何もなかったらショックでしたから。しっかりと「皇子神社の社叢」と書かれています。ここにきて嫌な予感がしていました。国の天然記念物というので楽しみにしてやって来たのですが、目立たない場所に道しるべもなく皇子神社の社叢がひっそりと建っているのです。もしかして、この神社は国の資産としては重要だけれど、観光地としてはどうでもいい存在なのかもしれないと思い始めました。
階段を登り始めると、お賽銭箱が置いてあります。この箱だけは新しいんですね。
お賽銭箱には何も入れず、階段を上がっていきます。
鳥居から何やら建物が見えます。
階段を登っていくと、左側にトイレのようなものが見えてきました。草でこの建物に近づけなかったので、これが本当にトイレなのか分かりませんでした。
そしてどうやら目的の国の天然記念物、皇子神社社叢にたどり着いたようです。天然記念物の割にはガラス窓があったり電燈がついていたりするのですね。正面の扉には鍵がかかっておらず、あっさり開きました。天然記念物は守られていないようでした。
綺麗にスリッパが並べられています。実はこの扉を開いたとき、扉の内側についていた蜘蛛の巣がブチブチと切れました。ちょっと異様な雰囲気でした。
スリッパを拝借いたしまして、中に入ると神社の拝殿のようになっていました。
床に囲炉裏のようなものがあります。何かを燃やした形跡がありました。燃やされたのは炭でしょうか。きっと何かの催し物でこの囲炉裏が使われたのでしょう。
中には絵や写真が飾られていました。
これらの絵や写真に何か歴史的に重要なものが含まれているのでしょうか。
床にお賽銭箱が埋め込まれています。
隙間からは硬貨が見えます。私も少しばかりお賽銭を入れておきました。お賽銭箱のすぐ上に扉がありますが、こちらにはしっかりと鍵がかかっていて開きませんでした。以下の写真は木枠の隙間から撮ったものです。中に木の枝が挿されています。見た感じ、刺されて間もない感じがします。あまり目ぼしいものはなかったです。もし目ぼしいものが置かれていたら、盗られてしまいますね。
その他、建物の中で撮った写真をお見せします。
ここまでが建物の中で撮影した写真です。あとは、建物の周辺で撮影した写真をお見せします。
一通り、写真を撮り終えたので、ここ皇子神社社叢を後にすることにしました。感想としては・・・、ここは観光地ではないですね。確かに、歴史的、または学術的な価値はあるかもしれません。でもここは観光のために来ても楽しくありませんね。
さて、階段を下り始めました。
振り返って屋根にある魚(鯱鉾)のようなものの写真を撮りました。
鳥居をくぐって皇子神社社叢に別れを告げます。
国の天然記念物皇子神社社叢は、お世辞にも、観光に向いているとは言えません。観光目的で小豆島に行くのであれば、別の場所に行くことをお勧めします。
さて、これから自転車にのって道の駅まで戻らなければいけません。もうくたくたです。皇子神社社叢の近くにあるこのお店に立ち寄ってパンか何かを買ってエネルギー補給をすることにしました。
中に入って見ると、おばあさんが店の番をしていました。私はレジが置かれているテーブルの上に置かれていたパンを買いました。店の中に椅子が並べられていたので、座って食べて行っていいかと尋ねたところ、快く受け入れてもらえました。私が自転車でここまでやってきて皇子神社社叢を見てきた、もう疲れたと話を始めたら、なんとコーヒーを入れてくれました。豆から入れたコーヒーで、とてもおいしかったです(もちろん無料)。
30分くらい、おばあさんと話をして、体を休めた後、また自転車に乗って道の駅に戻りました。
個人的な感想としては、皇子神社社叢より、おばあさんとの話の方が楽しかったです。
以上で皇子神社社叢の紹介はおしまいです。